小さな畑日記担当の井原です。
8月の下旬に娘の夏休みの宿題に付き合って干し椎茸を取り扱っている工場を見学させてもらったので、食の方面の記録としてレポートを書いておきます。

私が住んでいる藤枝市はお茶と乾椎茸(かんしいたけ)が名産物なのですが、娘の小学校の授業で、そのことについて取材して、新聞を作って発表するそうです。
他の子達はお茶をテーマに選んだ中、なぜか一人だけ椎茸を選んだ娘。
しかも椎茸嫌いで普段食べないのにww。

学校でパンフレットのような資料をもらって基礎情報は何とか書けたものの、実体験に基づくような情報が何となく不足してる感じ。お茶をテーマにしていれば「ななや」(藤枝にあるお茶屋さんで抹茶ジェラートが有名なお店)にアイス食べに行った事とかで記事になったのですが、椎茸の方はと言うと、加工品で名産になっているのは藤枝の瀬戸谷地区にある藤の瀬会館で食べられる「せとやコロッケ」くらいでしょうか。
これなら近所の商店街で隔月でやっている100円市の時に出張販売しにきてくれているものを何度か食べたことがあります。揚げたてを買えるし、椎茸が入ったコロッケでとても美味しいです。
これをまとめに入れればいいじゃん!とか思っていたら、娘の新聞の下書きに
「しいたけの工場」の文字がががが。

えええーーー。

工場、見せてもらえるのだか分からないけど、とりあえず私も椎茸についてネットでざっと調べてみました。

 藤枝の椎茸は、お茶農家が扱うお茶と一緒に流通が確立したようで、藤枝市の岡部が、全国各地から椎茸の集まって来る日本有数の一大集散地なんだそうです。
お茶の流通に使われていた蔵や茶箱を保管に使うことで、高温多湿に弱い乾椎茸の品質を状態良く保持できたことから、お茶と共に乾椎茸も取り扱うようになっていき、全国から卸の業者や問屋が集まり、相場が決まるような流通拠点になったそうです。
そんな訳で市内に椎茸関連の会社も多く、探してみたら近所にもいくつか工場が見つかりました。

で、その中でもホームページが充実していた株式会社 丸昌さんに電話をしてみて、工場見学をお願いしたら快く受けて下さいまして、見学、させてもらいました!。

マスクと帽子をして、手洗いして工場に入ります。DSC_3303
DSC_3302
入る時に小さめの個室を通ってエアシャワーを浴びました。
乾物は乾燥しているので、本来ならばここまでやらなくても良いそうなのですが、食品を扱っていると言うことでこちらの工場では行なっているそうです。

全国から集められてきた椎茸が積まれている倉庫を見せてもらいました。DSC_3268
DSC_3267
倉庫内は少しヒンヤリしています。
有数の集散地なだけあって、箱に書かれている産地は北から南まで色々です。

乾椎茸といっても、色々なサイズや色、形のものがありました。
DSC_3269
小粒の物から大きめの物、傘がまだしまっている丸い物から開いて広がっている平たい物、色の黒い物、白い物等々。
DSC_3270
中でも一番の高級品はコレ!と教えてもらいました。
DSC_3272

色が白くてふっくらした「天白冬菇(てんぱくどんこ)」

冬の寒い時期に水に当たらないようにしてじっくり育たないと、こんな風にふっくら肉厚にはならないんだそうです。傘の表面が爆ぜて亀裂が入っているために身の色が白く見えるのですが、これが最上級の乾椎茸だそうです。(それを知らずに白くカビているから換えてくれと言ってきた人が居たんだとかw。)
これと同じようにふっくら花が咲くように傘が爆ぜて亀裂が入って、身の色が茶色がかったものが茶花冬菇(ちゃばなどんこ)。
胞子を飛ばす前の、傘が巻いて開いていない、肉厚で丸みのある椎茸を冬菇(どんこ)と言い、煮物などにするととても美味しく食べられます。
傘が開ききる前に収穫された少し平たい形のものは撰(より)といい、
冬菇(どんこ)に比べて椎茸の香りが強く、味と香りが楽しめるそうです。
傘が開ききってから収穫されたものを香信(こうしん)といい、香りが強いのでみじん切りにして使われることが多いそうです。

集められた椎茸は手作業で形ごとに仕分けされます。
DSC_3274
DSC_3277
DSC_3276
DSC_3275
形が歪なものや傷がついたものを仕分けて、割れたものなどはカット椎茸にされます。
DSC_3294
スライスして細長くしたり、
チップ状にしたり色々な形に加工します。
DSC_3295
この後、金属探知機を通してから重さごとに袋詰めされます。
カット椎茸は原産地で収穫時にカット加工されて乾燥して集められてきたものと、この工場でカット加工するものの2種類があるそうです。
原産地で加工されたものには細かい異物が含まれていたりするので、金属探知機を通して、ゴミやホコリを取り除くために目視で選り分けていました。
DSC_3286
この工場でカット加工する際は、一度乾椎茸を蒸して柔らかくしてからカットするそうです。この工場の裏手を通った時に、時々もわ〜んと椎茸っぽい香りが漂っていることがあったのですが、この時の作業の香りだったんですねw。

石突きの部分はスープの材料にされているそうです。ここでの加工品は小売用のものだけでなく、加工素材として大手の有名な食品会社にも卸されているとのことでした。

工場には冷凍用の倉庫もありました。
虫の卵がついている可能性があるので、一度マイナス23度まで冷やして殺してしまうそうです。
DSC_3308
仕分けられた乾椎茸はグレードごとに分けられ、袋詰めされます。
贈答用のどんこが形を揃えるように丁寧に並べられてパックされていました。
DSC_3314

最後にお土産に、天白冬菇!を少々と、丸晶さんの会社の独自キャラクター、どんこワンのキーホルダーを頂きましたw。来年にはこれの着ぐるみができるそうで、イベントがあった時などに見られるようになるんだとかw。カワイイw。
DSC_3576
DSC_3577

いただいた冬菇は、後日じっくり半日、水を吸わせてから砂糖と醤油で煮ました。
肉厚、ジューシーで旨みたっぷり。すんごく美味しかったです!!
乾椎茸の煮汁は高血圧予防に良いそうですよ!

娘は匂いがどうにも苦手らしく、乾椎茸はやっぱり駄目なようですが、今回の取材のおかげで、椎茸に親しめたようで、普通の椎茸は焼けば食べられるようになりましたw。
伊東の実家に帰った時などに天城の方につながりのある親戚のおじさんから、「清助どんこ」という乾椎茸をよくお土産でいただいていたのですが、この伊豆の原木椎茸はブランドものだそうで、今回の取材で結構良いものを頂いていたらしいことがよく判りました。

丸晶さん、色々教えて頂きましてありがとうございました!。